
プラスチックカードのナンバリング
メリット・方法・注意点をわかりやすく解説
- 2025.02.18

ナンバリングとは、一般的に管理の効率化のために通しで番号を振ることをいい、駅や道路、レポート、カードやチケットなどさまざまなところで活用されています。
この記事では、プラスチックカードへのナンバリング加工を検討されている方に向けて、その概要やメリット、ナンバリングの種類、注意点など、プラスチックカードのナンバリング加工について解説します。
ナンバリングとは?━ カードに施すメリット
一般的にナンバリングとは、管理しやすくしたり識別しやすくしたりするため、対象のものに通し番号を打つことをいいます。通し番号といっても数字だけではなく、アルファベットや記号が含まれることもあります。
街の中でよく見かけるものとしては、その地域に不案内な人にも識別しやすくするための高速道路ナンバリングや、日本語ができないインバウンドにもわかりやすくするための駅ナンバリングなどがあります。
ナンバリングは、街の中のものだけでなく皆さんのより身近なところでも活用されています。
今お手元にあるカード類を見てみてください。クレジットカードやキャッシュカード、クリニックの診察券、ショップのポイントカード、会員証など、多くのものにナンバリング加工がなされているのではないでしょうか。
カードにナンバリングの加工をするのは、主に次のようなメリットがあります。
情報管理の効率化
ナンバリングにより、そのカードの発行総数などを容易に把握できるのが大きな利点です。カードに振られた個別番号によって個々のカードの管理がしやすくなります。さらに、個別番号と紐づけられた会員情報やスタッフ情報なども、一括管理が可能です。
セキュリティの向上
ナンバリングによって個別番号を付与することで、そのカードは他には存在しない唯一のカードとなります。そのカードを保有している人が会員である、あるいはスタッフであることの証明書としての信頼性が高まります。
トラブル対応の迅速化
カードを紛失した場合、ナンバリングを通して、紛失したカードの特定をスムーズにできる可能性が高まります。そのカードをすぐに停止したり無効にしたりすることで、不正使用を未然に防ぐことも可能でしょう。
プラスチックカードにナンバリングする3つの方法
前出のクレジットカードやキャッシュカードは以前からプラスチック製ですが、以前は紙製が多かった診察券やポイントカード、会員証なども、耐久性の高いプラスチック製に変えているところが増えています。
また、穴あけ加工をして紐を通すことで首から下げられる、プラスチックケース不要でコスト削減につながるといった理由から、イベントパスやスタッフパスなどもプラスチック製にしているケースが多いようです。
プラスチックカードにナンバリングする方法には、主に印字加工、エンボス加工、デボス加工の3種類があります。それぞれの概要を紹介します。
1.印字加工
熱転写プリンターで、カードの表面に文字を印刷する方法です。一般的には、熱転写リボンで直接カードに印字します。
<メリット>
- 他の加工法と比較して、短時間で多くのカードにナンバリングを施せます
- 基本的には、印字位置を自由に設定できます
- 漢字やひらがな、記号はもちろん、バーコードやQRコードなどにも対応可能です
- 文字サイズやフォントなどのバリエーションが豊富です
- エンボス加工やデボス加工と比べて、加工コストが安いです
- 対応可能なカードの種類や厚みが幅広いです
<デメリット>
- 平面に印字するため、摩擦で文字が消える可能性があります
- 立体感のあるエンボス加工やデボス加工と異なり、見た目の特別感や高級感を演出しにくい傾向があります
2.エンボス加工
カードの裏面から型を押しつけて、カードの表面を凸状に盛り上げる加工方法。クレジットカードやキャッシュカードの番号や氏名などによく使われているため、目にすることも多いでしょう。
<メリット>
- 文字に立体感をもたせることができ、特別感・高級感が高まります
- エンボッサーという特殊な機械が必要なため、偽造防止が期待できます
- 指先で触れると文字の形や文字の位置がわかるため、視覚障害のある方にも認識しやすいでしょう
- 印字加工と比較して、耐久性が高くなります
<デメリット>
- エンボッサーという特殊な機械が必要なため、同じく立体感を出すデボス加工と比較してコストが高くなります
- 裏面が凹むため、カードのデザインを考える際、考慮する必要があります
- 加工できる位置や文字サイズが限定されます
エンボス加工については、次の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
参考:エンボス加工って?印刷の仕様やプラスチックカード作成時のポイントを解説
3.デボス(プレス連番)加工
カードの表面を型で押し下げ、凹ませる加工方法。カードに文字を印刷するのではなく、凸凹で文字を表現する点はエンボス加工と同じです。ただし、文字を凸状に盛り上げるエンボス加工とは逆に文字を凹ませるため、文字部分の主張が控えめで、落ち着いた印象を与えるといわれています。
<メリット>
- 表面が凹んでいるため文字に傷や汚れが付きにくく、エンボス加工よりも高い耐久性が期待できます
- エンボス加工同様、立体感により特別感や高級感が高まります
- エンボス加工と異なり、裏面に影響が出ません
- エンボス加工と比較して、コストは若干抑えられます
<デメリット>
- 文字が凹んでいるため、記載されている内容を認識しづらい場合があります
- 業者によっては、エンボス加工と比較して、加工可能なカードの素材が限られます
- 加工が6桁以内の連番のみに限られます。
プラスチックカードにナンバリングする際の注意点
前述したように、ナンバリングの加工方法によって、対応可・不可の条件が異なるため、そこを理解した上でカード製作を進めましょう。
メリット・デメリットでも少し触れましたが、対応可能なカードの素材や厚みは異なりますし、文字の種類やサイズ、フォントの種類なども違ってきます。
それらを理解したうえで、適切なナンバリング方法を選ぶ必要があります。ナンバリングの加工方法ごとの条件を表にまとめましたので、方法を選択する際の参考にしてください。
加工方法 | 印字加工 | エンボス加工 | デボス加工 |
---|---|---|---|
対応可能な カードの素材 | ・PETカード ・PET-Gカード ・再生PETカード ・マットPETカード ・リサイクルPVCカード ・PVCカード ・オンデマンド印刷カード(デジカカード) | ・PET-Gカード ・リサイクルPVCカード ・PVCカード ・オンデマンド印刷カード(デジカカード) | ・PET-Gカード ・リサイクルPVCカード ・PVCカード ・オンデマンド印刷カード(デジカカード) |
カードの 適正な厚み | 0.188~0.76 mm | 0.76 mm | 0.76 mm |
対応可能な 文字種 | 数字、アルファベット、漢字、ひらがな、カタカナ、記号、バーコード、QRコードなど | 数字、アルファベット、カタカナ、記号 | 数字 |
対応可能な 文字の色 | 黒色 | 黒色・金色・銀色 | 黒色・金色・銀色・白色 |
対応可能な 文字サイズ | 豊富 | ・7B(大) ・エリート(小) | ・特大 ・大 ・小 ・特小 |
文字数制限 | なし | ・7B…最大19文字 ・エリート…最大27文字 | 6桁以内 |
その他 | ※フォントのバリエーションも豊富です | ※加工位置が原則限定されるため、希望する位置に加工できない場合があります ※JIS規格サイズのカードのみの対応になります | ※基本的に数字の連番のみになります |
※上の表は基本的にカーディナルにおける条件です。細かな条件は業者によっても違いがあります。
まとめ
ナンバリングには、情報管理の効率化やセキュリティ向上などさまざまなメリットがあります。オプション料金が発生するため、本当に必要かどうか吟味する必要はありますが、会員証やイベントパス、スタッフパスなど個人の情報を紐づける性質のカードでは、ナンバリング加工の意義は大きなものとなります。
プラスチック製の会員証やイベントパス、スタッフパスなどへのナンバリング加工をお考えの方は、カーディナルへお気軽にご相談ください。
プラスチックカードメーカーとして半世紀以上積み上げてきた実績に基づく高い技術で、高品質のカード作成と、そのカードに最適なナンバリング加工方法のご提案が可能です。