エンボス加工とは？印刷の仕様やプラスチックカード作成時のポイントを解説

プラスチックカード作成の後加工としても利用される、エンボス加工をご存知でしょうか？

エンボス加工とはカードの表面に数字や英字・カタカナを凸状に盛り上げる加工のことです。

身近にあるキャッシュカードやクレジットカードには、口座番号や氏名にエンボス加工が施されるケースが多く、その他にも印鑑登録証や会員証、VIPカードなどでもエンボス加工がよく利用されます。

今回は、そんなエンボス加工についてご紹介します。

エンボス加工とは

エンボス加工とはカードの表面に数字・英字(大文字)・カタカナを凸状に盛り上げる加工のことです。凸表面に色を付けることが可能です。仕上がりに立体感を持たせ、見た目や手触りで高級感を演出します。

会員カードや診察カードでは会員番号や会員氏名、クレジットカードやキャッシュカードではカード番号や有効期限、口座番号、氏名等を表示するためにも使われます。　　　　　　　　　　　また、エンボス加工は特殊な機械でないと作成できないため、偽造防止につながります。エンボス加工がクレジットカードや印鑑登録証に利用されるケースが多いのは、そのような理由もあります。

1.エンボス加工できるカードの種類

※加工できるカードは85.6mm×54mm厚みは0.76㎜のJIS規格のみとなります。

• PVCカード
• PET-Gカード
• 両面マットカード
• クリアカード　(※デザインによって可能)
• 磁気隠蔽カード

2.文字への着色(ティッパー)

色は金・銀・黒・紺の4種類となります。

紺色はPET-Gのみになります。

ティッパー無しも可能です。

3.文字サイズ・仕様・位置

文字サイズは7ピッチ(7B)の「エンボス大」と10ピッチ(エリート)の「エンボス小」の2種類があり、ピッチは1inch（2.54cm）に納まる文字数を示しています。また、エンボス加工ができる位置はカード下半分の所定の位置と決まっており、指定されたゲージ内のみエンボスができます。

エンボス大は1行19文字まで、エンボス小は1行27文字まで可能になります。

カーディナルでは、エンボス大は数字・英字(大文字)・カタカナが、エンボス小は数字・英字(大文字)が利用できます。

エンボス加工の種類

エンボス加工は、主にカードの表面に凹凸をつける技術の総称です。加工方法によって仕上がりの見た目や用途が異なります。ここでは、代表的な加工方法とその特徴を解説します。

ローラーエンボス加工

ローラーエンボス加工は、連続したパターンや模様をカード全体に施す方法です。専用のローラーで圧力をかけて模様を転写するため、革のような質感や、布目、木目などの立体的な模様を効率よく広範囲に表現できます。カードの偽造防止や高級感を高める目的でよく利用されます。

平板型エンボス加工

平板型エンボス加工は、金型を使用してカードの特定の部分にロゴや文字を浮き上がらせる方法です。ロゴマークを際立たせたり、デザインの一部として立体感を加えたりするのに適しています。デザインの自由度が高く、オリジナルの模様を精密に表現できるのが特徴です。

デボス加工

デボス加工は、エンボス加工とは逆に、カードの表面をへこませる加工方法です。文字やロゴをへこませて刻印することで、エンボス加工とはまた異なる、落ち着いた印象や、洗練された高級感を演出できます。エンボス加工と組み合わせて、デザインに奥行きやコントラストをつけることも可能です。

エンボス加工のメリット

エンボス加工をプラスチックカードに施すことには3つのメリットがあります。

1点目は、デザインの訴求力と高級感の向上です。文字や模様が浮き上がる立体的な仕上がりは、見た目のインパクトが強く、手に取った際に独特の感触を与えます。これにより、ショップカードやVIPカードなどでブランドの高級感を演出し、他にはない特別な印象を与えることができます。

2点目は、偽造防止です。エンボス加工には特殊な機械が必要なため、一般的な方法では複製が困難です。この特性から、クレジットカードや印鑑登録証など、高いセキュリティが求められるカードで広く採用されています。カードに施された凹凸は、視覚だけでなく触覚でも真贋を判断する手助けとなります。

3点目は、視認性です。文字が浮き上がっているため、視覚障がいのある方でも指で触れることで情報を認識できるなど、ユニバーサルデザインの観点からも利便性を高めることができます。これらのメリットは、単なる機能性だけでなく、カードの持つ価値そのものを高めることに繋がります。

エンボス加工で注意すべきポイント

※漢字やひらがなは打てません。

※フォントの指定はできません。

※エンボス大（7Ｂ）・エンボス小（エリート）を同時加工する場合、ティッパーの色は同色になります。一列目は銀色、二列目は金色が不可能です。

※加工の裏面は凹みますので、サインパネル加工する場合はお気をつけください。また、印刷された文字が読みにくくなりますのでご注意ください。

※エンボス大とエンボス小の同列印刷はできません。

※縦カードではエンボス加工ができませんので、違う印字方法で提案しております。

追加で発生する納期・コストはどのくらい？

エンボス加工はオプションとなるので、必要な場合は納期とコストが追加でかかります。

枚数や仕様にもよりますが、納期は＋1日～数日程度となります。

コストについては、作成枚数が少ない場合価格差はあまり発生しませんが、枚数が多い場合は数万円以上の差が生じる場合もありますので、予算などに応じて検討してみるとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。エンボス加工は、単に文字を浮き上がらせるだけでなく、カードに立体的な表情と高級感を与えることができます。そうすることで、受け取った相手に強いインパクトを与え、競合と差別化された、他にはない特別なカードを作製できます。

他の加工について知りたい方は下記ページをご参照ください。

参考：オプション加工一覧

カーディナルではあらかじめベースカードを印刷して、預かりカードに後日エンボスのみ加工することが可能です。エンボス加工にも柔軟に対応しておりますので、無料カードサンプルの中にエンボスカードもご用意しています。お気軽にお問い合わせください。