会員証の作成ガイド|素材・厚み・加工の選び方
- 2026.07.02
会員証やメンバーズカードを新しく作りたいものの、「どの素材を選べばいいのか」「厚みや加工はどう決まるのか」がわからず、最初の一歩で手が止まってしまう。そんな経験をお持ちのご担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。会員証は一度発行すると長く使われ、途中で仕様を変えにくいカードです。だからこそ、作成前に決めるべき点を押さえておくと、後の追加発行や運用まで含めてスムーズになります。
この記事では、会員証・メンバーズカードを作成する際に決めるべき素材・厚み・加工の選び方を、用途やロットの観点から順を追って解説します。発注の流れや追加発行をラクにする運用方法まで含めてご紹介します。
【目次】
会員証を作成する前に決める3つのこと
会員証の作成では、「素材」「厚み」「加工」の3点を最初に決めると、その後の判断が一気に進みます。この3つは会員証の使われ方——毎日携帯するのか、顔写真を入れるのか、会員番号で管理するのか——とそのまま結びついているためです。
たとえば、顔写真入りで長く使う会員証なら耐久性の高い素材と標準的な厚みが向きますし、配布数が多く軽さを重視するなら薄手の素材が合います。会員番号やバーコードで管理するなら、それに応じた後加工を選ぶことになります。逆に言えば、この3点さえ決まれば仕様の骨格はほぼ固まります。
| 決める項目 | 主な選択肢 | 判断の目安 |
| 素材 |
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| 厚み |
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選べる厚みは素材で決まる。
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| 加工 |
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会員をどう管理するかで決まる |
厚みは素材とセットで決まる点に注意が必要です。PVC系は0.76mmまたは0.48mm、PET系は0.25mmまたは0.188mmから選びます。PETで0.76mm、PVCで0.25mmといった組み合わせはできないため、「厚みを優先するか、素材の特性を優先するか」で判断するとスムーズです。
なお、プラスチックカードは特別な指定がない限り角丸(約3R)が標準仕様です。角の丸みはサイズにかかわらず統一されるため、デザイン段階から角丸を前提にレイアウトしておくと安心です。
用途・ロットで選ぶ会員証の素材
会員証に使われる素材にはそれぞれ得意な場面があります。用途と発行数(ロット)から逆算して選ぶのが失敗しないコツです。ここでは代表的な6種類を、向いている場面とあわせて紹介します。
(1)PETカード

テレホンカードにも使われてきたPET素材のカードです。PVCに比べて素材そのもののコストを抑えやすく、薄手(0.25mmまたは0.188mm)に対応できるため、配布数の多い量販店やショップの会員カードで選ばれてきました。薄さと軽さを重視する会員証に向いています。ただしPETは耐熱性が高くないため、車内など高温になる場所で長時間保管される用途には不向きです。
(2)再生PETカード

再生ペットボトルを25%以上使用したエコ素材のカードです。グリーン購入法に対応する施設での採用実績もあり、環境配慮を打ち出したい団体に適しています。表面に油性ボールペンで直接記入できる点が大きな特徴で、「共通情報は印刷、個人欄は各自が記入」といった運用に向きます。一方で印刷の耐久性やカードの剛性、耐水性はPVCより控えめなため、屋外で長く使う会員証では素材特性を確認しておくとよいでしょう。
(3)PVCカード

会員証で最も多く使われている定番素材です。標準的な0.76mm厚では手に取ったときの存在感があり、耐久性にも優れます。箔押し・エンボス・磁気・ICなど加工の選択肢が幅広く、顔写真入りの会員証にも適しています。顔写真の印字適性と毎日携帯される耐久性の両面から、写真付き会員証はPVCが主流です。環境配慮を求める場合は、廃棄PVCを再利用したリサイクルPVCという選択肢もあります。
(4)オンデマンド印刷カード

版を必要としないデジタル印刷方式で、少量・多種類の会員証を作りたい場合に適しています。1,000枚程度までの小ロットと相性がよく、デザイン違いを複数まとめて作りたいときに便利です。フルカラーのオフセット印刷と比べると色の再現度はやや控えめになるため、写真の色味を厳密に合わせたい用途では事前に仕上がりを確認しておくと安心です。
(5)マットブラックカード(黒板カード)

黒い素材に箔押しでデザインを施すカードです。フルカラー印刷を行わないぶん工程がシンプルで、印刷カードより費用を抑えつつ短納期で仕上げやすいのが特徴です。落ち着いた高級感が出るため、アパレルや理美容などブランドイメージを大切にする会員証で選ばれています。
(6)ヘアラインカード・ダークヘアラインカード

金属のヘアライン加工のような質感を持つ素材に、箔押しでデザインするカードです。こちらも印刷カードより費用を抑えやすく、短納期に対応しやすい素材です。メタリックな見た目で特別感を演出したい会員証やVIP向けカードに向いています。
(7)シームレスヘアラインカード
ヘアラインカードをさらに突き詰めた上位の選択肢が、断面(エッジ)まで金属調に統一したシームレスヘアラインカードです。従来のヘアライン系カードは表面が金属調でも横から見ると断面に白い縁が見えていましたが、シームレスヘアラインカードは断面までグレー調でつながり、横から見ても一体感のある佇まいになります。落ち着いたダークトーンの質感と箔押しによる象徴的なロゴ表現を前提とした仕様で、メタルカードの代替として、特別な顧客向けの会員証やVIP会員証、長く携帯される上質なカードに適しています。
素材選びに迷ったときは、実物の質感を手に取って比べるのが確実です。
会員証によく使われる後加工と記載項目
素材が決まったら、会員をどう管理するかに合わせて後加工と記載項目を決めます。会員証は「表面のデザイン」だけでなく「裏面に何を載せるか」で使い勝手が大きく変わります。利用上の注意や問い合わせ先といった、すべての会員に共通する情報は、あらかじめ印刷して裏面にまとめて配置するのが一般的です。一方、会員番号のように1枚ごとに異なる情報は印字(バリアブル加工)で入れ、エンボスで浮き出させる場合は、後述のとおり表面に配置します。
代表的な後加工は次のとおりです。
● バーコード・QRコード
会員管理システムと連携し、読み取りで会員を特定できます。規格が複数あるため、既存システムに合わせて選定します。
● ナンバリング(連番・個別番号印字)
1枚ごとに異なる会員番号を印字します。
● エンボス
文字を凹凸で浮き出させる加工です。凹凸のため裏面には跡が出るので、会員番号などのエンボスは表面に配置するのが一般的です。使えるのはJIS規格の英数字・カナ文字・一部記号で、漢字・ひらがなには対応していません。エンボスは0.76mm厚のカードに限定されます。
● サインパネル
カード表面に署名欄を設ける加工で、プラスチックカードで最も多く選ばれるオプション加工です。
参考:カードのおもな加工一覧
会員証の発注から納品までの流れ
初めて会員証を発注する場合は、全体の流れを把握しておくとスケジュールが立てやすくなります。おおまかには、データ入稿 → (希望する場合は本機校正)→ 製造 → 納品、という順で進みます。
入稿データはAdobe Illustrator(AI形式)が原則で、フォントはアウトライン化しておきます。画像はリンク形式のまま、元の画像ファイルを一緒に添付して入稿します。
色味を事前に確認したい場合は、本機校正を依頼できます。本機校正は量産と同じ体制・工程で試作するため仕上がりの確認精度が高く、依頼する場合の目安は約2週間です。必須の工程ではないため、色の確認が不要であれば校正を省いて本番製造に進むこともできます。スケジュールを組む際は、校正を挟むかどうかで全体の日程が変わる点を見込んでおくとよいでしょう。
追加発行がラクになるベースカードの運用
会員証は、入会のたびに追加発行が発生する用途です。ここで知っておきたいのが、共通デザインの「ベースカード」をまとめて作っておく運用です。
初回にある程度の数量を発行する場合、共通デザインのみのベースカードをまとめて製造しておき、追加発行のたびにそのベースカードへ会員番号や氏名、顔写真などのバリアブル加工だけを施す、という進め方ができます。追加のたびに印刷工程からやり直す必要がないため、納期と工程を短縮できます。
カードマーケットでは、製造したベースカードを無料でお預かりする保管サービスをご用意しています。保管期間は前回の発注から原則2年間で、社員証や会員証のように追加発行が繰り返し発生する用途で特に役立ちます。次の発行時はバリアブル加工だけで完結するため、リピート発注がスムーズになります。
50年以上にわたってプラスチックカード製造に特化してきた知見から、こうした運用も含めて用途に合った仕様をご提案できます。数百枚から数千枚規模の小ロットにも対応していますので、まずはご相談ください。
FAQ:よくある質問
- Q. 会員管理のために使う加工にはどんなものがありますか?
- A. バーコード・QRコード、会員番号のナンバリング、エンボス、署名用のサインパネルなどがあります。どの方法で会員を管理するかによって選ぶ加工が変わります。
- Q. エンボス加工で漢字を使うことはできますか?
- A. エンボスで使えるのはJIS規格の英数字・カナ文字・一部の記号で、漢字・ひらがなには対応していません。漢字の氏名などを入れたい場合は印字での対応をご検討ください。
- Q. 少ない数量でも会員証を作れますか?
- A. 対応できます。数百枚から数千枚規模の小ロットからお受けしています。デザイン違いを複数種類まとめてご相談いただくことも可能です。
- Q. ベースカードを先にまとめて作り、必要なときに加工だけ行うことはできますか?
- A. できます。共通デザインのベースカードを製造・保管しておき、追加発行時にバリアブル加工だけを施す運用が可能です。製造したベースカードは前回発注から原則2年間、無料でお預かりします。
- Q. デジタル会員証(アプリ)とプラスチックの会員証は、どちらを選ぶべきですか?
- A. 手軽さや配布のスピードを重視するならデジタル、手元に残る特別感や贈答性、システムに依存しない使いやすさを重視するなら物理カードが向きます。両者を併用する運用も増えています。物理カードならではの質感や存在感を大切にしたい場合は、プラスチックの会員証が適しています。
まとめ
会員証を作成するときは、まず素材・厚み・加工の3点を、使われ方から逆算して決めるのが近道です。顔写真や耐久性を重視するならPVC、薄さやコストを抑えたいならPET系、少量・多種類ならオンデマンド、高級感を出したいならマットブラックカードやヘアラインカードといったように、用途とロットに応じて最適な素材は変わります。後加工と裏面の記載項目を会員管理の方法に合わせて整え、追加発行までを見据えてベースカードの運用を検討しておくと、発行後の運用まで含めて無理がありません。
会員証の素材や仕様の選び方でお悩みの際は、実物サンプルで質感を確かめながら、カードマーケットへお気軽にご相談ください。
会員証・メンバーズカードの製作はカードマーケット(カーディナル株式会社)へご相談ください
会員証やメンバーズカードの新規製作・リニューアルをご検討中の企業・店舗・団体のご担当者は、ぜひカードマーケットへご相談ください。
カーディナル株式会社は、創業50年以上・国内自社工場を持つプラスチックカード製造の専門メーカーです。長年の経験と技術の積み重ねを背景に、取引社数7,000社以上の実績を持ち、会員証・診察券・社員証・イベントパスなど、あらゆる用途のカードに対応しています。「どの素材にすればいいかわからない」「小ロットでも対応してほしい」「追加発行を続けたい」といったお悩みにも、専門スタッフが丁寧にご提案いたします。品質管理体制や製造工程については、【品質へのこだわり】のページで詳しくご紹介しています。
