印刷?加工?プラスチックカードで高級感を演出する3つの方法
- 2022.05.09
会員証やメンバーズカード、診察券など世の中には多くのプラスチックカードが存在しています。手にしたカードをじっくりと眺めることはなかなか無いと思いますが、いたってシンプルなものから個性のあるものまで、じつに多種多様です。
会員証やメンバーズカードなどでは会員ランクに応じて、デザインの異なるカードが複数種用意されていることも珍しくありません。上位ランクに上がるほど、シルバーカードやゴールドカードなど高級感のあるカードが用意されており、特別なカード・特別な会員であることを演出し、所有者の満足度を高めます。
では、高級感のあるカードはどのように作ればよいのでしょうか。この記事では高級感のあるプラスチックカードを作製する方法をご紹介します。会員証やメンバーズカードなどの企画や管理を担当されている方、クライアントへデザインから提案される営業担当者の方などには参考になると思いますので、最後までご覧ください。
高級感を生み出す3つの方法
高級感のあるプラスチックカードを作製する方法は大きく3つに分けられます。
それでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。
1.デザインや印刷による方法
高級感を表現する最もポピュラーな方法は、金や銀など、キラキラした色味をデザインに用いることです。
では、金や銀といった色を表現するにはどのようにすればよいのでしょうか。プラスチックカードでよくある表現方法として、2つご紹介させていただきます。
プロセスカラーを用いて、デザインで表現する
1つめはプロセスカラーと呼ばれるC・M・Y・Kの4色で金や銀などを表現するデザインを作成し、印刷を行う方法です。プロセスカラーの4色を掛け合わせることで、表現できうるほぼ全ての色を作ることができますので、金や銀を表現することも可能です。
しかし、ただ色を使っただけでは金や銀っぽく見えるとは限りません。金や銀っぽく見せるには影を付けたり、グラデーションにするなど、デザインによって見せ方や表現の仕方を工夫する必要があります。
プロセスカラーを掛け合わせたデザインの場合、用いる印刷はオフセット印刷またはデジタル印刷になります。しかし、オフセット印刷やデジタル印刷の場合、金や銀などのキラキラとした発色感を出すことは出来ません。見え方によって、金は黄土色や茶色、銀はグレーのようにしか見えないことも十分ありますので、注意が必要です。
画面上ではうまく表現できていても、実際にカードを作ってみると、イメージしていたものとはかけ離れたものが仕上がるケースも多々あります。このようなトラブルを避けるためにも量産前に本機校正など試作をすることをおすすめします。
※参照:オフセット印刷 https://cardmarket.jp/article/glossary/08/
■ポイント
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シルクスクリーン印刷で金や銀などメタリック色を使う
2つめはシルクスクリーン印刷を用いて、実際に金や銀などのインクを印刷する方法です。シルクスクリーン印刷であれば、金や銀のインクを用いることで、それぞれの色を表現することが可能です。なお、インクにラメを入れることでキラキラ感を再現させることが可能なため、青系統のインクにラメを混ぜればブルーメタリックに、黒系統のインクにラメを混ぜればブラックメタリックなど、金や銀以外の色でもキラキラした色を表現させることができます。また、ホログラムの粉(ホロ粉/ホロコ)を入れるなんてことも可能です。
ただし、ラメを入れただけでは思っていたほどキラキラ感を出すことが出来ない場合もあります。その場合は、金や銀の上に別の色をのせてみることで、イメージに近い色味を表現できる場合もあります。
さらに、金や銀などの上にプロセスカラーで作成したデザインを乗せることも可能です。ただ、このような方法は下の金や銀などの影響を受けて、プロセスカラーのデザインの色味が変化する場合がありますので注意が必要です。
プラスチックカードで金ベースや銀ベースなど、メタリック系の色を表現したい場合は、シルクスクリーン印刷を用いる方法が最も一般的でおすすめな方法です。
※参照:シルクスクリーン印刷 https://cardmarket.jp/article/glossary/23/
■ポイント
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2.加工による方法
エンボスやホットスタンプなど、ワンポイントでオプション加工を使う
加工による方法としては、エンボスやホットスタンプ(箔押し)などをワンポイントで入れることです。金や銀などを使わなくても、このような加工を加えるだけで高級感を増すことができるため、おすすめです。
エンボスはクレジットカードやキャッシュカードなどでよくある、番号や氏名などを浮き上がらせる加工のことです。平面加工の印字や印刷と異なり、立体的な加工を加えることで少し違いを演出することが可能になります。
エンボスの注意点は打てる文字が英数字とカタカナのみ、文字サイズが大・小の2タイプ、加工位置がカード下半分の所定の位置など、比較的加工に制約が多いことです。
※参照:エンボス加工 https://cardmarket.jp/article/glossary/07/
ホットスタンプは金箔や銀箔を凸版で押し、箔をカードに転写する加工です。ロゴマークなどをワンポイントで入れることで、印刷とは異なり、雰囲気がワンランクアップしたような仕上がりになります。
ホットスタンプの場合、細かい線や文字の表現は苦手としているため、デザインする場合は少し線を太くしたり、細かいものは避ける、など注意が必要です。
※参照:ホットスタンプ加工 https://cardmarket.jp/article/glossary/33/
その他のおすすめなオプション加工として、両面マットプレス加工があります。プラスチックカードの場合、通常は表面が艶のあるフラットな肌触りの仕上げになりますが、マットプレス加工をすることで、表面がざらつきのあるマット調の仕上がりにすることができます。
ブラックやグレーベースのデザインにマットプレス加工を行い、ホットスタンプをワンポイントで入れ、ナンバリングをエンボスで、といったカードは意外に高級感がある仕上がりになるのでおすすめです。
※参照:両面マットプレス加工 https://cardmarket.jp/article/glossary/38/
■ポイント
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3.素材による方法
ヘアラインカードやマットブラックカードで作る
最後は素材による方法です。プラスチックカードは白色のプラスチック板に印刷や加工を行って作製することが一般的ですが、この他に、ヘアライン箔をプラスチック板の両面に貼り付けた「ヘアラインカード」や、プラスチックの材質自体が黒色になっている「マットブラックカード(黒板カード)」といった素材自体に特徴のあるカードがあります。
ヘアラインカードはプラスチックカードの表面に金または銀のヘアライン箔を貼ったカードです。一見、金属のように見えるため、疑似メタルカードとしておすすめです。最近ではクレジットカードなどで本物の金属を使ったカードも登場しておりますが、実際に作製するとなると費用がかかります。
その点、ヘアラインカードは価格もお手頃、納期も比較的早いなど、条件にも合わせやすいカードです。ただし、加工は基本的に箔押し・サインパネル・エンボスのみとなります。
参考:【この質感で低価格】人気のヘアラインカードに金属感を高めたダークヘアラインカードが新登場!
※参照:ヘアラインカード https://cardmarket.jp/article/variations/22-hairline/
※参照:ダークヘアラインカード https://cardmarket.jp/article/variations/25-highgrade/
マットブラックカード(黒板カード)はプラスチックの素材そのものが黒色のものを使ったカードです。表面にザラつきがあること、カード側面も黒いといった特徴があります。加工はヘアライン同様、基本的に箔押し・サインパネル・エンボスのみとなります。
※参照:マットブラックカード https://cardmarket.jp/article/variations/21-matteblack/
その他に、「全面箔貼りカード(疑似エッチングカード)」があります。これは、カード全面に金箔や銀箔を貼った上に疑似エッチング加工を施してデザインを表現するカードです。こちらもヘアラインカードと同様、メタル感のある仕上がりになりますので、高級感を演出することが可能です。
※参照:全面箔貼りカード https://cardmarket.jp/article/variations/24-hakuhari/
※参照:エッチング加工 https://cardmarket.jp/article/glossary/05/
■ポイント
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まとめ
いかがでしたでしょうか。プラスチックカードで高級感を生み出すには、
- デザインや印刷による方法
- 加工による方法
- 素材による方法
大きく3つの方法があります。いずれの場合も、それぞれ長所や短所がありますので、価格や納期など、希望の条件に合わせて選択するとよいでしょう。
カーディナルでは各種要望に応じた様々な提案が可能ですので、些細なことでもお気軽にお問い合わせください。