【決定版】昇華転写と再転写の特性について比べてみた!
- 2022.06.20
社員証や学生証、資格証、認定証など、顔写真が入ったプラスチックカードの印刷には、昇華転写印刷加工(ダイレクト印刷方式)と、再転写印刷加工(再転写印刷方式)という大きく2つの印刷方式が利用されています。どちらの方式も氏名や番号、QRコード、バーコードなどの可変(バリアブル)印刷にも対応しています。
2つの印刷方式には得意不得意があり、カードの種類やデザインによって適性が異なりますので、今回はそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
昇華転写印刷加工(ダイレクト印刷方式)
顔写真が入ったプラスチックカードの印刷には、昇華転写印刷加工の利用がもっとも一般的です。昇華型のCMYKインクリボンに熱を加えることでインクが気化し、プラスチックカードの表面に直接定着する印刷方法です。1枚ずつ異なる情報を印字することが可能になります。
①全面昇華転写印刷加工(白カード+全面ダイレクト印字)
全面昇華転写印刷加工は、白無地カードに直接印字する印刷方法です。
文字がはっきりと見えやすく、小ロット低価格、短納期で作製することができます。
グラデーションカラーや複雑なデザインは表現が難しいです。カードのエッジ部分は数ミリ印刷できないので、白フチができてしまいます。
②部分昇華転写印刷加工(ベースカード+ダイレクト印字)
部分昇華転写印刷加工は、カードの大量発行や、継続的な発行、特色や金銀などを使用したい場合に適した印刷方式です。
共通デザインをあらかじめ印刷したベースカードを作製後に、個人情報や顔写真などの可変部分をインクリボンで印字します。全面昇華印刷加工に比べると可変テキストが綺麗に仕上がります。ベースカードはオフセット印刷やシルク印刷で作製可能です。
なお、作製したベースカードはカーディナルで在庫保管いたしますので、追加注文の場合でもコストが抑えられます。
③再転写印刷加工(再転写印刷方式)
再転写印刷加工は、カードに直接印刷するのではなく、デザインを一度透明のフィルム(再転写フィルム)に印刷し、プラスチックカードの表面に貼る加工になります。昇華転写印刷加工よりも仕上がりが綺麗です。
昇華転写とは異なり、インクヘッドが直接カード表面に触れるわけではないので、カードの端まで印刷可能で、ICカードなど表面に段差があるカードにも綺麗に印刷することができます。PET-Gにも加工が可能です。ぜひ、サンプルカードでご確認ください。
入稿データについて
入稿データは基本的にIllustrator(.ai)形式にてお受けしております。
IDカードや身分証など、可変印刷が必要な場合は、別途可変情報(写真データやテキストデータ)をご入稿いただきます。
例1:全面昇華転写印刷加工、再転写印刷加工
例2:部分昇華転写印刷加工(ベースカード+ダイレクト印字)、再転写印刷加工
写真データ
ファイル形式:JPGファイル
カラーモード:RGB
・ファイル名は「名前.jpg」もしくは「社員番号.jpg」
・トリミング処理は可能
※写真データの色合い等にご注意ください。
※プリントの写真しかお持ちでない場合、カーディナルでご対応は可能ですが、別途費用が必要になります。また仕上がりまでお待たせする場合がございます。
テキストデータ
ファイル形式:エクセル
※氏名・番号の確認はお客様にてお願いいたします。
※データには数式のご使用をご遠慮下さい。
※フォントタイプに制限があります。詳しくはお問合せください。
印刷方式の違いについて まとめ
①全面昇華転写 | ②部分昇華転写 | ③再転写 | |
---|---|---|---|
特徴 |
|
|
|
コスト | ○ ※追加発行時は高い | △ ※別途ベースカード作製費用が発生 | △ ※ベースカード使用時は別途作製費用が発生 |
納期 | 約1週間~ | 約3週間~ (ベースカード作製含む) |
|
枚数 | 1~100枚 | 101枚~ | 1枚~ |
仕上がり | △ | ◎ | 〇 |
使用 カード | 白無地カード | ベースカード |
|
材質 | PVC | PVC | PVC/PET-G |
サイズ・厚み | 85.6mm×54mm (JIS規格サイズ)・0.76mm |
最後に
いかがでしたでしょうか。
昇華転写印刷加工は短納期かつ低価格、再転写印刷加工は高品質で非接触ICカードやPET-Gカードへの印字に適しています。
作製するカードやデザイン・予算・納期などによって、適した印刷方法が変りますので、いくつかポイントを決めてプラスチックカードの製造会社に相談するとスムーズです。
カーディナルではプラスチックカードの印字について様々な提案が可能ですので、お気軽にお問合せください。