再転写カードプリンターで社員証発行|自社と外注の分かれ目
- 2026.10.19
採用のたびに社員証を1枚、2枚と外に頼み、届くまでのあいだ、新しく入った人には来客用の入館証を渡しておく。そんな状況が続くと、「プリンターを買って社内で出せば早いのでは」と考えるのは自然なことです。調べ始めると、カード専用のプリンターにはいくつか方式があり、フチまで色を載せられる「再転写カードプリンター」が候補に挙がってきます。
自社発行が合う会社は確かにあります。ただ、機械を入れたあとに社内に残る仕事は、カタログからは見えにくいものです。すでにプリンターをお使いで、買い替えの時期を迎えている会社にとっても、立ち止まって考えるよい機会です。
この記事では、社員証を再転写カードプリンターで自社発行する場合と外注する場合を比べ、どちらが自社に合うかを判断する材料について解説します。両方を組み合わせる進め方にも触れます。
【目次】
再転写カードプリンターでの社員証発行が向く会社、外注が向く会社
再転写カードプリンターでの自社発行が向くのは、社員証をその日のうちに渡す必要があり、機械と発行作業を担当し続けられる人がいる会社です。
反対に、発行が年に数回・数枚ずつ、届くまで1週間以上待てる会社であれば、外注で十分に回ります。機械も消耗品もカードの在庫も社内に持たずに済み、社内に残るのは名簿と顔写真をそろえる作業だけです。
もうひとつ、二択にしなくてよい場合もあります。ロゴや社名など全員に共通する部分を印刷したカードだけを外注し、氏名や顔写真は社内のプリンターで入れる方法です。必要な日に発行できる身軽さと、印刷機で刷った仕上がりを両立できます。
どれを選ぶかは、プリンターの性能よりも社内の事情で変わります。以下、判断に必要な点を順に見ていきます。
再転写カードプリンターで自社発行するときに、社内でそろえるもの
プリンター本体のほかに、消耗品、白無地のカード、データを流し込む仕組み、そして担当者がそろって、はじめて発行が回ります。
カード専用のプリンターには、カードの表面に直接インクを転写する方式(昇華転写)と、いったん透明なフィルムに印刷してからカードに転写する方式があります。後者が再転写です。フィルムごとカードに重ねるため、カードのフチまで色を載せやすいのが特徴です。背景を全面に敷いたデザインをそのまま社内で出したいとき、候補にあがるのはこのためです。
自社で発行を始めるときに用意するものは、おおむね次のとおりです。
- プリンター本体
- インクリボンと転写フィルム(どちらも使うたびに減っていく消耗品です)
- 白無地のカード(発行する分を前もって購入しておきます)
- デザインのひな型に、名簿と顔写真を流し込むソフト
- 顔写真を撮影し、データとして整える手順
- 機械の置き場所と、操作できる担当者
さらに、カードに持たせる機能によって選ぶ機種が変わります。顔写真と氏名を載せるだけの社員証や、バーコード・QRコードで管理する社員証であれば、印刷ができれば足ります。磁気ストライプに情報を書き込む運用なら書き込みの機能を備えた機種が、ICチップを使う運用なら社内のシステムに合った規格の白無地カードが要ります。
どの機能が必要かは、社員証を何に使うかによります。仕様の考え方は次の記事で詳しく解説しています。
その日のうちに渡す必要は、年に何回あるか
自社発行のいちばんの強みは、必要になった当日に手渡せることです。この速さが業務に欠かせないかどうかを、最初に考えます。
中途入社の初日に社員証が間に合わない。社員がカードをなくして、入退室ができない。こうした場面で、その日のうちにカードを出せるのは、社内にプリンターがある会社です。入退室を社員証で管理していて、仮のカードでは代わりがきかない職場であれば、自社発行を選ぶ理由は十分にあります。
外注した場合の日数も見ておきましょう。カードマーケットで白無地カードに再転写して発行する場合、ご発注から約1週間〜が目安です。枚数や内容、ご発注の時期によって前後します。白無地カードは当社で在庫しているため、ご希望のカードの在庫があれば、カードを一から製造する工程を挟まずに発行から進められます。
1週間以上かかっても困らない会社は少なくありません。入社日が早めに決まっていれば、名簿がそろった時点で発注することで、初日に合わせやすくなります。紛失による再発行も、来客用の入館証などでしばらくしのげる職場なら、外注で困る場面はあまりないはずです。
迷ったら、「当日でなければ困った場面」が過去1年に何回あったかを数えてみてください。年に1回あるかないかなら、そのために機械を置くかどうかは慎重に考えたいところです。
その発行作業を、人が替わっても続けられるか
負担になりやすいのは、機械を買うことより、発行の作業を何年も続けることです。使う回数が少ない機械ほど、この負担は重くなります。
発行が月に何度もある会社なら、担当者は操作に慣れ、消耗品の減り方もつかめます。ところが採用が年に数回の会社では、前回の発行から半年空くことも珍しくありません。ソフトの操作、名簿の流し込み、顔写真の切り抜き。半年経てば、本人でも思い出すのにひと苦労です。異動や退職で人が替われば、手順書が残っていないかぎり、最初から手探りになります。
社内に置くものも増えます。インクリボン、転写フィルム、白無地のカード。発行が少ない会社ほど在庫が減らず、保管が長引きます。それでいて発行が止まらないよう残りの数に目を配り、切れる前に買い足す役目も、誰かが持つことになります。
機械が故障したときの備えも要ります。修理のあいだ発行が止まるなら、当日に渡せるという強みも、その期間は使えません。
外注すれば、こうした仕事は社内から消えます。カードマーケットでは白無地カードを当社で在庫し、発行のたびにそこから使うため、お客様に前もってカードを買い取っていただく必要はありません。ICカードでも、そうでないカードでも同じです。社内に残るのは、名簿と顔写真のデータをそろえて渡す作業だけです。
名簿と顔写真を、社外に渡してよいか
自社発行なら、社員の名簿と顔写真は社外に出ません。個人情報の持ち出しに厳しい会社では、ここが判断の決め手になることがあります。
外注する場合は、氏名や社員番号、顔写真のデータを発注先に渡します。社内の情報管理のルールによっては、受け渡しのたびに承認が要ったり、渡し方が細かく決められていたりします。発行のたびにその手続きを踏めるかどうかも、社内で確かめておきたい点です。
外注先を選ぶ際は、個人情報をどう扱う体制なのかを確かめておきましょう。カードマーケットを運営するカーディナル株式会社は、プライバシーマーク(登録番号20001570)の認定を受けています。
一方で、「名簿は社外に出したくない。けれどカードの仕上がりにはこだわりたい」という会社もあるでしょう。その両方に応えられるのが、次に紹介する組み合わせの方法です。
共通部分は印刷したカードで用意し、氏名や写真は社内で入れる
全員に共通する部分だけを印刷したカード(ベースカード)を外注し、氏名や顔写真は社内のプリンターで入れる方法があります。
社員証に載せる情報は、全員に共通する部分と、1人ずつ変わる部分に分けられます。会社のロゴ、社名、背景の色や模様は前者。氏名、所属、社員番号、顔写真は後者です。
共通の部分を刷ったベースカードを外注でまとめて作り、手元に置いておく。1人ずつ変わる部分だけを、必要になった日に社内のプリンターで入れる。こうすれば当日の発行ができ、名簿と顔写真のデータも社外に出ません。
共通部分は印刷機で刷るため、仕上がりの選択肢も広がります。刷り方は枚数と仕様に合わせて選び、オフセットやシルクスクリーンで刷る場合は、DIC・PANTONEの特色指定でコーポレートカラーを合わせることもできます。カードマーケットでは製造から品質管理まで国内の自社工場で一貫して行っており、仕上がりの安定性が高いのも、追加で作り足すときの安心材料になります。
社内のプリンター選びの幅が広がるのも、この方法の利点です。カード全面のデザインはすでに刷られているため、社内で入れるのは氏名や顔写真などカードの内側の情報だけ。フチまで色を載せる必要がなくなるので、再転写型ではなく、カードに直接印刷する昇華転写型のプリンターでも発行できるようになります。
この方法で進めるときは、社内で印字する欄の位置と大きさを、ベースカードのデザインを決める段階で決めておきます。お使いのプリンター、または導入を予定しているプリンターの機種も、あわせてお知らせください。
状況別に見る、自社発行・外注・組み合わせ
ここまでの材料判断を状況別に整理しました。複数に当てはまる場合は、当日に渡す必要があるかどうかを優先して考えてください。
| 状況 | 向く方法 | 備考 |
| その日のうちに渡さないと業務が止まる | 自社発行/組み合わせ | 機械と担当者を社内に置く前提。故障したときの代わりも考えておく |
| 発行は年に数回・数枚ずつで、1週間以上待てる | 外注 | 機械・消耗品・白無地カードを社内に置かずに済む |
| 機械を担当できる人を置けない、異動が多い | 外注 | 社内に残るのは名簿と顔写真をそろえる作業だけ |
| 名簿や顔写真を社外に出したくない | 自社発行/組み合わせ | 組み合わせなら、共通部分は印刷機で刷った仕上がりにできる |
| ロゴの色や細かな模様まで再現したい | 外注/組み合わせ | 共通部分を印刷機で刷り、特色でコーポレートカラーを合わせることができる |
実際には「毎月数名ずつ入社があるが、急ぐのは年に数回」のように、どれか1つにきれいに当てはまるとは限りません。年間の発行枚数と1回あたりの人数、カードに持たせたい機能をお知らせください。50年以上プラスチックカードを作ってきた経験をもとに、自社発行・外注・組み合わせのどれが合うか、具体的な進め方をご提案します。
参考:社員証/学生証
FAQ:よくある質問
- Q. 社員証を1枚だけ外注することはできますか?
- A. できます。カードマーケットでは最低発注ロットを設けておらず、白無地カードへの再転写加工であれば1枚から発行できます。中途入社の1名分だけ、紛失した1枚の再発行だけ、といったご依頼にも対応しています。
- Q. いま自社のプリンターで発行している社員証を、同じデザインのまま外注に切り替えられますか?
- A. 切り替えられます。デザインデータや仕様書が手元になくても、お使いの社員証の現物から仕様を確認し、同じ仕様でお見積りを出せます。
- Q. 外注から自社発行に切り替えるとき、いまのデザインを印刷したカードだけ作ってもらえますか?
- A. はい。外注から自社発行に切り替える会社もありますが、その場合も、いまのデザインの共通部分を刷ったベースカードを作れば、見た目を変えずに社内での発行へ移れます。社内のプリンターで印字する欄の位置は、ベースカードのデザインを決める段階でご相談ください。
- Q. ベースカードは何枚から作れますか?
- A. 最低ロットは100枚からになります。発行の見込み枚数や、社内で保管できる量に合わせてご相談ください。
まとめ
再転写カードプリンターで社員証を自社発行するかどうかは、その日のうちに渡す必要がどれだけあるかで考えると整理しやすくなります。そのうえで、発行の作業を人が替わっても続けられるかを確かめてください。当日の発行が欠かせず、機械を見る人を置けるなら自社発行、そうでなければ外注で十分に回ります。
二択にしない道もあります。共通部分を刷ったベースカードを外注し、氏名や顔写真だけを社内で入れれば、当日の発行と印刷機による仕上がりを両立でき、プリンターも昇華転写型まで選択肢が広がります。発行の頻度や人数がわかれば、どの進め方が合うかを一緒に考えられますので、まずはお気軽にご相談ください。
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カーディナル株式会社は、創業50年以上・国内自社工場を持つプラスチックカード製造の専門メーカーです。長年の経験と技術の積み重ねを背景に、取引社数7,000社以上の実績を持ち、会員証・診察券・社員証・イベントパスなど、あらゆる用途のカードに対応しています。「どんな仕様にすればいいかわからない」「小ロットでも対応してほしい」といったお悩みにも、専門スタッフが丁寧にご提案いたします。品質管理体制や製造工程については、【品質へのこだわり】のページで詳しくご紹介しています。
