磁気テープ(磁気ストライプ)とは?プラスチックカードの加工を解説
キャッシュカードや会員カードの表面や裏面に貼られている黒いテープを見たことがあるでしょうか。これが「磁気テープ(磁気ストライプ)」です。
このテープには会員番号や口座情報などが記録されており、専用の読取機でスライドすることで情報を読み書きできます。近年はICチップが主流になってきましたが、会員カードやポイントカードなどでは今も広く使用されています。一見シンプルな加工ですが、色や磁気の強さ、貼付位置など、用途に応じて最適な仕様を選ぶ必要があります。
本記事では、プラスチックカードにおける磁気テープ加工の基本知識から、種類、貼付方法、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。
磁気テープとは
磁気テープ加工について、まずは基本的な定義と役割から理解していきましょう。
磁気テープの定義
磁気テープ(磁気ストライプ)とは、プラスチックカードの表面または裏面に貼り付ける帯状のテープのことで、磁性体を含んだ素材で構成されています。このテープに各種情報を磁気的に記録し、専用のカードリーダーで読み書きを行います。
会員カードやポイントカード、キャッシュカードでよく見られる黒い帯が、最も一般的な磁気テープです。カード上部に横一線に配置され、カードを識別するための重要な情報が記録されています。
磁気テープの役割
磁気テープは、プラスチックカードに以下のような重要な役割を果たします。
- 情報の記録と読み取り:会員番号、口座番号、残高など、カード固有の情報を磁気的に記録できます。カードリーダーにスライドさせることで、瞬時に情報を読み取れます。
- 本人確認と認証:キャッシュカードやポイントカードでは、磁気テープに記録された情報と暗証番号を照合することで、本人確認を行います。
- データの更新:ポイントカードやプリペイドカードでは、利用ごとに残高やポイント数を更新できます。
磁気テープの種類
磁気テープには、色や磁気の強さによっていくつかの種類があります。用途に応じて最適なタイプを選択することが重要です。
色のバリエーション
磁気テープは、デザイン性を高めるために様々な色が用意されています。
黒色(最も一般的)
ポイントカード、キャッシュカード、会員証など、最も広く使用されている色です。視認性が高く、どんなカードデザインにも合わせやすいのが特徴です。
金色・銀色
プレミアムカードやVIPカードなど、高級感を演出したい場合に選ばれます。ゴールドカードの表面に金色の磁気テープを配置することで、デザインの統一感が生まれます。
その他の色
紺色、赤色、白色など、カードデザインに合わせた色を選択できる場合もあります。ブランドカラーと統一することで、視覚的な一体感を高められます。
保磁力による分類:Lo-CoとHi-Co
磁気テープは、磁気の強さ(保磁力)によって2つのタイプに分けられます。
Lo-Co(Low Coercivity:低保磁力)
保磁力が約650エルステッド(Oe)の磁気テープです。磁気の影響を受けやすく、スマートフォンやバッグの留め具などの磁気によってデータが消える可能性があります。
特徴
- 製造コストが低い
- エンコード(データ書き込み)が容易
- 短期間使用や頻度が低いカードに適している
適した用途
会員カード、ポイントカード、イベントカードなど、比較的短期間の使用を想定したカード。
Hi-Co(High Coercivity:高保磁力)
保磁力が約2750エルステッドの磁気テープです。外部の磁気影響を受けにくく、長期間安定してデータを保持できます。
特徴
- データの耐久性が高い
- 外部磁気の影響を受けにくい
- 頻繁に使用される長期利用カードに適している
適した用途
ポイントカード、キャッシュカード、社員証、学生証など、日常的に使用され長期間保管されるカード。
近年では、スマートフォンケースに磁気カードを入れるケースが増えたため、Hi-Co(2750 Oe)を選択する企業も増えています。ただし、カードリーダーが対応している保磁力を事前に確認する必要があります。
磁気テープの貼付位置と規格
磁気テープの貼付位置は、国際規格と日本独自規格によって異なります。
国際規格(ISO規格・JIS1)
国際規格では、磁気テープはカードの裏面に配置されます。クレジットカードやデビットカードなど、世界中で流通するカードはこの規格を採用しています。カード裏面の署名欄付近に黒い帯が配置されているのが一般的です。
日本独自規格(JIS2)
日本独自の規格では、磁気テープはカードの表面に配置されます。国内のキャッシュカードや会員カードの多くがこの規格を採用しています。カード表面の上部、デザインの一部として組み込まれることが多いです。
カード上端から6.4mm以下の位置に、高さ11.6mm以上の磁気ストライプが配置されます。
加工方法
磁気テープの貼付は、カード製造工程の中でも重要な工程です。磁気テープをあらかじめオーバーシート(保護フィルム)に仮止めし、カード本体と同時にラミネート(貼り合わせ)することで、強固に接着されます。
この工程により、磁気テープが剥がれにくく、長期間の使用に耐える耐久性を確保できます。
磁気テープ加工のメリットとデメリット
磁気テープ加工を検討する際は、そのメリットとデメリットを理解した上で判断することが重要です。
磁気テープ加工のメリット
磁気テープ加工を施すことで、以下のような利点が得られます。
- 低コストでの導入:ICチップに比べて製造コストが低く、大量発行に適しています。会員カードやポイントカードなど、コストを抑えたいカードに最適です。
- システム導入の容易さ:専用のカードリーダーを設置するだけで、複雑なシステム構築が不要です。既存の決済システムとの連携も比較的簡単です。
- データの読み書きの速さ:カードをスライドさせるだけで瞬時に情報を読み取れます。レジでの会計時など、スピードが求められる場面で有効です。
- 汎用性の高さ:世界中で標準化されており、海外でも使用できる互換性があります。
磁気テープ加工のデメリット
一方で、磁気テープ加工にはいくつかの注意点もあります。
- 磁気の影響を受けやすい:特にLo-Coタイプは、スマートフォンや磁石などの磁気によってデータが消えるリスクがあります。
- データ容量の制限:記録できる情報量が限られており(最大72バイト程度)、複雑なデータ管理には不向きです。
- セキュリティ面の課題:スキミング(磁気情報の不正コピー)などの犯罪リスクがあります。クレジットカードなど高いセキュリティが求められる用途では、ICチップとの併用が推奨されます。
- 物理的な劣化:頻繁な使用や摩擦により、磁気テープが劣化し、読み取りエラーが発生する可能性があります。
まとめ|磁気テープ加工はカーディナルへ
磁気テープ(磁気ストライプ)加工は、プラスチックカードに情報記録機能を持たせる基本的な技術です。色のバリエーションや保磁力の違い(Lo-Co/Hi-Co)、貼付位置の規格など、用途に応じた最適な仕様を選択することが重要です。
低コストで導入しやすく、世界中で広く使用されている一方で、磁気の影響やセキュリティ面での注意も必要です。会員カード、ポイントカード、社員証など、様々な用途で活躍する磁気テープ加工は、今後も多くの場面で利用され続けるでしょう。
カーディナルでは、磁気カードの製造において豊富な実績を持ち、お客様の用途に合わせた最適な仕様をご提案しております。磁気テープの種類や規格、デザインに関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。



