プラスチックカード専門メーカーが「木のカード」を作ってみた!
- 2024.07.02
近年、海洋プラスチックごみ問題やSDGsへの意識の高まりから、地球環境への負荷が懸念されるプラスチック製品を取り巻く状況が大きく変わってきています。
小売店や量販店ではエコバック利用の推奨や非プラスチック製袋への置き換わり、コンビニや飲食店などで使用される使い捨て食器は、紙製や木製のものが目立つようになってきました。
プラスチックカードを製造・販売するカーディナルにとっても、この大きな変化を避けては通れない問題として重要視しています。創業以来、一貫してプラスチックカードの製造に従事してきたカーディナルにとって、果たしてできることは何だろうか。今ある設備や技術を活用して導き出した1つの方向性として、木製のカードを作れないか、ということでした。
そこから試行錯誤を繰り返し、ようやく形になりました。その名も「木のカード」です。
この記事ではカーディナルのオリジナル商品「木のカード」をご紹介します。
木のカードとは
今回カーディナルが作った「木のカード」は、100%木材を使用したカードではなく、2つの材料を組み合わせて作りました。
その2つの材料とは、「ストーンペーパー」と「天然木シート」です。
基材となる部分にストーンペーパーを使用し、その両面に天然木シートを貼り付けた構成になっています。
ストーンペーパーについて
ストーンペーパーは、台湾の龍盟科技股有限公司(ロンミンテクノロジー)が開発した合成紙です。おもな原料は100%石から抽出した無機鉱物粉末、炭酸カルシウム(石灰)80%とHDPE樹脂(高密度ポリエチレン樹脂)20%でできています。
ストーンペーパーの大きな特徴は、一般的な紙を作る際に必要な木材を使用しないこと、製造工程において水や漂白剤等を使用しないこと、製造時に発生する二酸化炭素を50%削減(※)することです。(※一般的なバージンパルプ紙1トンとの比較)
このようにストーンペーパーとは、地球上に無尽蔵に存在する石(石灰石)を原料とし、木材伐採や排出二酸化炭素の削減、排水汚染リスクがないなど、地球環境保護を念頭に開発された新しい合成紙です。
天然木シートについて
天然木シートは天然木を薄くスライスし、国産和紙の表面に貼り付けたシートです。天然木は国産ヒノキの間伐材を使用しています。
間伐材とは、森林の成長過程で密集化する立木を間引くために伐採された木材のことです。間伐を行うことで、森林には日光が差し込み、木々が成長、さらには生物多様性も保全されます。あえて伐採せざるをえなかった木材を利用することで、限りある資源の有効活用につながります。
天然木を使用しているため、木目や色、柄には個体差があります。
木のカードのセールスポイント
①地球にやさしいエコカード
木のカードのセールスポイント1つめは、環境に配慮した地球にやさしいカードということです。
木のカードは原料や製造工程など、環境に配慮して作られたエコ素材であるストーンペーパーと、豊かな森林を守るために発生する間伐材を用いて作られる天然木シートを材料として作られたエコカードです。
木の素材感や質感の高さなど、実際に手に取るとインパクトは大きく、「環境に配慮した地球にやさしいカードを選択している」という印象を相手にしっかりともたらすことができます。
②ヒノキの香りがある
2つめは、国産ヒノキの天然木を使用しているため、しばらくはヒノキの自然な香りが感じられることです。
ヒノキの香りはアロマをはじめ、様々なグッズの香り付けとして用いられており、みなさんにとって昔から馴染みのある香りではないでしょうか。ヒノキの香りの主成分はモノテルペン炭化水素類のαピネンという成分で、鎮静作用と強壮作用があり、リラックスやリフレッシュ効果をもたらします。
人工的ではない、天然木本来のヒノキの香りが楽しめるため、少し変わったカードをお探しの方におすすめです。
③プラスチックカードに近い耐久性・耐水性
3つめは、合成紙のため、破れにくく、水に強いといったプラスチックカードに近い耐久性や耐水性があることです。もちろん、表面にオフセット印刷などでオリジナルのデザインを印刷することも可能です。ただし、強く曲げると、折り目がついたり、木目にシワやヒビが入る場合があります。
注意しておきたいポイント
木のカードの材料となるストーンペーパーと天然木シートには、プラスチックカードや他の紙カードとは異なる素材の特性があります。事前に注意しておきたいポイントを以下にまとめました。
【木のカードを作る前に注意しておきたいポイント】
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カーディナルがおすすめする用途
カーディナルがおすすめする、木のカードの用途をご紹介します。
お店の名刺であるショップカードとして
店名やロゴ、所在地などを記載したショップカードは、まさに「お店の名刺」です。一般的にはバージンパルプを用いた紙カードで作られることが多いショップカードですが、見た目のインパクトはもちろん、エコな素材を組み合わせて作られた木のカードは、SDGsへの取り組みや意識をアピールするツールとして活用できます。豊かな自然環境を楽しむアウトドアブランドや、木造住宅メーカーのショールームなどにもフィットしそうです。他のショップと差別化を図る、あるいは個性のあるショップカードとして、木のカードはおすすめです。
ユニークな診察券として
シンプルな絵柄や色使いなど、デザインが偏りがちな印象のある診察券や診察カードですが、他と差別化を図りたい、個性のある診察券を作ってみたいとお考えの方にはおすすめです。
個性的な名刺として
仕事やビジネスをするにあたって欠かすことができないアイテムの1つが名刺です。インパクトのある、個性的な名刺はどこか記憶に残ることが多く、覚えてもらうための近道にもなります。会社の代表の方やフリーランスで事業を行われている方など、相手に強く印象を残したい方にとって、名刺としての活用がおすすめです。
木のカードはオンラインショップで購入できる
カーディナルの公式オンラインショップでは、無地の木のカードを販売しています。
カードとしてはもちろん、DIYのパーツなど、あなたのアイデアを活かしたカード以外の用途でもお使いいただけます。
10枚から購入できますので、ぜひお手に取ってご覧ください。
オンラインショップはこちら
※当社の個人情報保護方針および個人情報の取扱いについてをご確認のうえ、お進みください。
ICカードも作成可能
木のカードは、中にICチップを挟むことでICカードとして作成、利用することも可能です。作成可能なICチップは「Mifare 1k」になります。
表面はヒノキの間伐材からできた天然木シートを貼っているため、従来のプラスチック製とは異なり、一見するとICカードには見えない仕上がりです。
エコな素材を組み合わせてできた木のICカードは、利用シーンによって、環境に配慮している点をアピールするアイテムとして最適です。企業や施設の入館証、ホテルのルームキーなどで利用してみてはいかがでしょうか。
最後に
エコロジーを念頭に開発された新素材ストーンペーパーと、再生産可能な間伐材を利用して作られた天然木シートを組み合わせてできた、カーディナルのオリジナル商品「木のカード」は、SDGsに貢献するツール・ノベルティとして効果的にお使いいただけるカードです。
天然木を使用しているからこそ出せる1枚1枚異なった風合いや模様、ヒノキのほのかな香りなど、無機質なプラスチックカードには無い、あたたかく趣のあるカードとしておすすめです。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。