ラミネートとは?プラスチックカードの品質を決める重要加工を解説!
ラミネートとは、印刷されたプラスチックシートの両面に透明の薄いプラスチックシートを熱圧着で貼り合わせる加工です。JIS規格においては必須の工程ですが、この加工を行うことでカード表面に光沢が出ます。また、印刷の保護にもなり耐久性が上がります。なお、写真加工、印字やエンボスといった加工が必要な場合は必ずラミネートが必要になります。
ラミネート加工は、プラスチックカードの品質と耐久性を決定づける重要な工程です。クレジットカードや社員証、会員証など、日常的に使用されるカードには必ずと言っていいほどこの加工が施されています。
一見シンプルな「貼り合わせ」作業に見えますが、実は精密な温度管理と圧力調整によって、カードの寿命や美しさが大きく左右されます。JIS規格では必須工程とされており、プラスチックカード製造における基盤技術と言えるでしょう。
本記事では、ラミネート加工の基本知識から種類、加工プロセス、メリット・デメリット、そして実際の活用例までを詳しく解説します。
ラミネート加工の基本知識
ラミネート加工を正しく理解することは、高品質なプラスチックカード製造の第一歩です。以下に、ラミネート加工の定義や目的、歴史について解説します。
ラミネート加工とは
ラミネート加工とは、印刷されたプラスチックシートの両面に透明の薄いプラスチックシート(オーバーシート)を熱圧着で貼り合わせる加工のことです。この工程により、印刷面を保護しながら、カード表面に美しい光沢を与えることができます。
この工程は、単に「後からフィルムを貼る」のとは異なり、熱と圧力によって素材同士を融着させるため、剥がれにくく強固な仕上がりになるのが特徴です。
プラスチックカード製造において、ラミネート加工は以下のような重要な役割を果たします。
- 印刷面を物理的な摩耗や汚れから保護
- カード全体の強度と耐久性を向上
- 表面に光沢を与え、高級感のある仕上がりを実現
- エンボス加工や印字などの後加工を可能にする基盤を形成
JIS規格における位置づけ
JIS規格(日本工業規格)では、プラスチックカードの製造においてラミネート加工が必須工程として定められています。これは、カードの耐久性と品質を一定水準以上に保つための重要な基準です。
特にクレジットカードやキャッシュカードなど、長期間にわたって繰り返し使用されるカードでは、ラミネート加工なしでは印刷面の劣化が早く、実用に耐えられません。
ラミネート加工の発展
ラミネート加工技術は、プラスチックカードの普及とともに進化してきました。1950年代にクレジットカードが登場した当初は、単純な熱圧着技術でしたが、現在では温度・圧力・速度を精密に制御する自動化システムが導入されています。
近年では、環境配慮型の素材開発やICチップ埋め込みに対応した高度な加工技術も登場し、さらなる品質向上が図られています。
ラミネート加工の種類
ラミネート加工には、温度条件や使用する素材によっていくつかの種類があり、カードの用途や求められる品質に応じて使い分けられます。
熱ラミネート(ホットラミネート)
熱ラミネートは、最も一般的なラミネート加工方法です。透明なプラスチックフィルム(オーバーレイ)を高温・高圧で圧着することで、強固に接着します。
- プラスチックカードの標準的な加工方法
- 150〜180℃程度の高温で圧着
- 耐久性が高く、長期使用に適している
- クレジットカード、社員証、会員証などに使用
熱ラミネートは、接着強度が非常に高く、剥がれにくいのが特徴です。日常的な使用による摩耗や曲げに強く、数年間の使用にも耐えられる耐久性を実現します。
冷ラミネート(コールドラミネート)
冷ラミネートは、熱を使わずに粘着剤付きのフィルムを圧着する方法です。温度に敏感な素材や特殊な印刷に対応できます。
- 熱による変形や変色を避けたい場合に使用
- ICチップなど熱に弱い部品を含むカードに適している
- 比較的低コストで加工可能
- 耐久性は熱ラミネートよりやや劣る
特殊ラミネート加工
用途に応じて、さまざまな特殊なラミネート加工も開発されています。
- マットラミネート
光沢を抑えた落ち着いた仕上がりで、高級感を演出 - ホログラムラミネート
偽造防止効果を持つホログラム柄を表面に配置 - UVカットラミネート
紫外線による劣化を防ぎ、印刷の退色を抑える
ラミネート加工のプロセス
ラミネート加工は、精密な温度・圧力・時間の管理によって高品質な仕上がりを実現します。工程全体の流れを詳しく見ていきましょう。
加工の流れ
- 準備工程
印刷済みのコアシート(中芯)と透明なオーバーレイフィルムを用意します。オーバーレイには、表面保護だけでなく、磁気ストライプやサインパネルなどの機能パーツを仮止めすることもあります。 - 積層
コアシートを中心に、両面からオーバーレイフィルムを配置します。この時、気泡やゴミの混入を防ぐため、クリーンな環境での作業が求められます。 - 熱圧着
専用のラミネート機で、150〜180℃の高温・高圧下で圧着します。温度と圧力、圧着時間は素材によって細かく調整され、この条件が最終的な品質を左右します。 - 冷却・固定
圧着後、徐々に冷却して形状を安定させます。急激な温度変化はカードの反りや歪みの原因となるため、制御された冷却プロセスが重要です。 - 検査
表面の気泡、剥がれ、汚れなどがないか目視・機械検査を実施します。
使用される材料と特性
ラミネート加工で使用される主な素材は以下の通りです。
- PVC(ポリ塩化ビニル)
最も一般的な素材。柔軟性があり、加工しやすく、コストパフォーマンスに優れる - PET(ポリエチレンテレフタレート)
環境配慮型の代替素材として注目。耐熱性・強度に優れる - オーバーレイフィルム
透明度が高く、印刷面を美しく保護。厚みは0.05〜0.1mm程度
ラミネート加工のメリットとデメリット
ラミネート加工は多くのメリットをもたらしますが、いくつかの制約も理解しておく必要があります。
ラミネート加工のメリット
- 耐久性の向上
印刷面を保護し、摩耗・汚れ・水濡れに強くなります。日常的な使用による劣化を大幅に抑えられます。 - 美しい光沢仕上げ
カード表面に透明感のある光沢が生まれ、高級感と視認性が向上します。 - 後加工の基盤
エンボス加工、写真印刷、サーマル印字などの追加加工を施すためには、ラミネート加工が必須です。 - 偽造防止効果
ホログラムや特殊フィルムを組み合わせることで、セキュリティ性を高められます。
ラミネート加工のデメリット
- コストの増加
材料費と加工費がかかるため、カード1枚あたりの製造コストが上昇します。 - 加工時間
熱圧着には一定の時間が必要で、大量生産時には納期に影響することがあります。 - 再加工の困難さ
一度ラミネートしたカードは、印刷面の修正や再加工が極めて困難です。 - 廃棄時の環境負荷
複数素材の複合体のため、リサイクルが難しい場合があります(環境配慮型素材の開発が進行中)。
ラミネート加工の用途と活用例
ラミネート加工は、プラスチックカードのあらゆる分野で不可欠な技術です。具体的な活用シーンを見ていきましょう。
プラスチックカードでの標準仕様
ラミネート加工を行う際、最も一般的なカードの厚みは0.76mmです。例えば、署名欄を作る「サインパネル加工」の一部は、この0.76mm厚のラミネート済みカードにしか加工できないといった制約があるため、設計段階での確認が重要です。
以下のようなカードでは、ラミネート加工が標準的に施されています。
- クレジットカード・キャッシュカード
長期使用と頻繁な読み取りに耐える耐久性が必須 - 社員証・会員証
企業や組織のブランドイメージを体現する美しい仕上がり - ポイントカード・診察券
日常的に持ち歩かれるため、摩耗への耐性が求められる
必須となる加工との組み合わせ
ラミネート加工は、以下の加工を施す際の前提条件となります。
- エンボス加工
カード表面に凸文字や番号を刻印する際、ラミネートされた強固な基盤が必要 - 写真加工
顔写真などを印刷する場合、保護と耐久性のためにラミネート必須 - サーマル印字
可変情報を印字する場合、印字面をラミネートで保護 - 磁気ストライプ・ICチップ
機能パーツをオーバーシート(ラミネート用のシート)に仮止めし、ラミネート時に一体化
まとめ|ラミネート加工はカーディナルへ
ラミネート加工は、プラスチックカードの品質・耐久性・美観を決定づける重要な工程です。JIS規格で必須とされるこの技術は、単なる表面保護にとどまらず、カードの機能性やセキュリティを支える基盤となっています。
カーディナルでは、長年の経験と最新設備により、高品質なラミネート加工を提供しています。貴社の用途に合わせた最適なシート選びや、デザインとの組み合わせについて、ぜひ一度プロの視点からご提案させてください。
プラスチックカードの製造や加工に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

